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【社内講演】ビットコインとブロックチェーン@日本フィナンシャルセキュリティーズ株式会社

日本フィナンシャルセキュリティーズ株式会社

社内研修レポート
テーマは「何故、ビットコインが必要なのか?
そして、ブロックチェーンとは、何か?」

2021年1月19日13時開始

講演をさせて頂きました。


コロナ禍の影響もあり、会議室での参加者は40名ほどでしたが、とても緊張しました。


今回は、暗号資産やブロックチェーンの基礎的な内容に関して勉強会をしてほしいと言う依頼を受けたので、基礎の基礎として最初の暗号資産であるビットコインとブロックチェーンとの関係についてお話をすることにしました。


それでは、はじめます。

少しの間、ビットコインの誕生のお話を聞いてみてください。

テーマは「何故、ビットコインが必要なのか?」

「そして、ブロックチェーンとは、何か?」です。


これを語るには、何故、ビットコインが生まれることになったのかを紐解く必要があります。

何かが生まれる時には、その理由が必ずあるものですよね。

今回は、そこからお話ししていきましょう。

■ビットコインが生まれた背景

岡藤日産証券ホールディングス、岡藤商事株式会社、日本フィナンシャルセキュリティーズ株式会社、三京証券株式会社

この背景には、2つの課題があります。


1つ目の課題は、国家や規制に関して。


つまり、国家そのものの意味や、政府の発行する貨幣の価値への疑問があります。


これは、最近、特にコロナが発生して以来、米国の大統領選挙を象徴するように、様々な国や地域で分裂や機能不全が起き始めています。


中国や香港、日本も含め世界中の国が、同時多発的に不協和音や暴力的な支配、言論統制など、様々な問題に直面しています。


ビットコインが最初に世に生まれたのは2009年、当時、奇しくもインフルエンザが大流行しWHOがパンデミックを宣言しました。


また、イスラエル軍のガザ侵攻、米国の70兆円の景気対策、アフガニスタン戦況の泥沼化や新疆ウイグル自治区での暴動など、現在の世界と似たような状況にありました。


私達の住む日本でも、民主党が圧勝し政権交代と言うまさに、変化のタイミングでした。


勿論、ビットコインのホワイトペーパーが最初に発表されたのは、その前年の2008年ですが、この頃から世界情勢は既に国家間の対立や民族間の対立、政府の貨幣対策や経済対策など、問題は起こり始めていたのです。


そんな時に、「未来の世界はどうなってしまうのだろうか?」


そう考えた、ビットコインの開発者とされるサトシ・ナカモトは、このプロジェクトに着手しました。


国同士の戦争や対立が起こる中、国家や政府の規制に制御されず、一人一人が生きている限り、自力で生きていけるように、国境を越えるソリューションを実現する事を目指しました。


次に、2つ目の課題です。


現在のコロナ禍でもそうですが、経済対策として各国で金融緩和が大々的に行われています。


そんな経済対策などが起こると、市場には各国が発行する法定通貨が溢れ、目先の経済はあたかも立ち直ったように見えますが、徐々にボディブローのようにジワジワとインフレに向かっていくという懸念が増していきます。


そんな情勢の中、最も大切な事は、インフレに負けない仕組みづくりです。


自国の通貨価値が下落した場合に、「どのように財産を守るのか?」


そのためには、価値の保存を行う必要がありました。


そこで、サトシ・ナカモトは考えました。


「価値の保存とはどうすれば良いか?」


そのヒントは、市場で取引される金(ゴールド)がどのように価値を持つことになったのかを紐解くことにあると考えました。


「例えば、金(ゴールド)の価値は、何か?」


その答えは、時間の経過と需要と供給のバランス(希少価値)にある事にたどり着き、その価値構造、価値保存の仕組みを現在の特徴であるインターネットやコンピュータプログラムを駆使する事で、実現できると確信したのでした。

■ブロックチェーンとビットコイン


課題1の国家や政府、貨幣の問題に関して、その課題解決の為に、どうすれば良いのか?


突き詰めた結果、嘘や誤魔化しのない、平等な機会の創造、つまり改竄したり、誤魔化せないシステム作りが急務であると確信しました。


そして、課題2の課題、「価値の保存」に関して、考えました。


金(ゴールド)のように希少性を維持し、将来価値を増加させる仕組み作りができれば、きっと、この2つの課題に対する明確な解決策になると、サトシ・ナカモトは確信したのです。


それが、ブロックチェーンの誕生です。


ブロックチェーンは、事前にプログラミングとして設定したとおりにしか稼働しない、非中央集権化の自浄作用が作動する、自ら成長するシステムです。


つまり、嘘や改竄ができないように、時間を正確に記し、順序を正確に、且つ連続性を保存する仕組みが必要でした。


「これを実現できれば、長い年月が過ぎても、途中で誤魔化したり、誰かが牛耳ったり、嘘やインチキのない、透明性の高いシステムが実現でき、国による規制すらも跳ね除けることが可能になる!」


そう確信したのでした。


「この、未来永劫、改竄される可能性が非常に低いシステムに、もう一工夫する事で、2つ目の課題は解決できる可能性がある。」


そう考えた、サトシ・ナカモトは、更に思案に没頭しました。

その結果、ある結論に辿り着く事になりました。


それは、金(ゴールド)は、埋蔵されている量は少量であり、採掘を行って掘り出せる量もごく少量である。


その仕組みが、独特の需要と供給のバランスを生み出し、何千年も脈々と希少性のある特殊な価値として人間に愛される結果を生んでいます。


この仕組みにサトシ・ナカモトは着目し、その構造をシステムに生かすべくプログラミングを開始しました。


内容としては、金の埋蔵量の希少性同様に、発行枚数に絶対に変更のできない制限をする事。


それは、あらかじめ予定した発行上限が定められ、時間経過と共に希少性が高まる、金(ゴールド)に倣った仕組み、そして、金(ゴールド)同様に、物々交換代用物である事。


つまり、金(ゴールド)と同様の希少性を担保し、それが改竄されず、また、時間の経過で価値が増加するデジタル通貨のシステム作りが始まったのです。


1つ目の課題を解決する、改竄できず、嘘はつけないブロックチェーンの仕組み、そのブロックチェーンに、金(ゴールド)の希少性や物々交換代用物としての特異性や優位性をプログラミングした物、それが、ビットコインなのです。

■ビットコインの特徴

【社内講演】岡藤日産証券ホールディングス

ビットコインの発行上限枚数は、2100万枚です。


これは、首都圏【埼玉、千葉、東京、神奈川】の人口で例えるなら、その合計人口は約3500万人です。


ということは、この地域の全人口ですら、全員が1ビットコインを持つこともできない程度の発行枚数です。


日本の人口は、1億3000万人程度、世界の人口は60億人程度です。


つまり、発行上限枚数は、非常に少ないと言えるでしょう。


また、他にもビットコインのプログラミングには自己成長と価値の保存の為の明確なルールがあります。


それは、マイニングと半減期という仕組みです。


マイニングとは、ビットコインの取引を承認する計算式をコンピュータで解くことです。


そして、そこで発生する報酬はビットコインが新たに生まれます。


まさに、金(ゴールド)と同じで、努力して発掘しなければ世の中に新たなビットコインは生まれないのです。


ここで大事なことは、生まれてきたビットコインは、ブロックチェーンにその出生記録が書き込まれますから、ブロックチェーンの特性上、改竄や誤魔化しに遭うリスクは非常に低く、元々定められた発行上限枚数以上に採掘される事はないのです。


また、半減期として、約4年に一度、マイニングの報酬は半分に削減されていきます。


この仕組みによって、新たに生まれてくるビットコインの数は徐々に減少し、最終的に2100万枚に達した段階で、もうそれ以上発行されないようにプログラミングされています。


更にすごい事は、この発行上限やマイニングの仕組みそのものが、プログラミングとしてブロックチェーンで管理される構造となっているため、一度始まったビットコインの生成プロセスは未来継続してブロックチェーンに守られる事になるのです。


それが、ビットコインの魅力であり、その価値を決めているのです。

■ビットコインの誕生

【社内講演】岡藤日産証券ホールディングスQ&A

このようにブロックチェーンとビットコインが設計され、プログラミングされました。


世界中の人々に共通する2つの課題の解決に向けて、その解決方法の一つとしてサトシ・ナカモトとその意思を継ぐ世界中の人々によって、世に送り出されたのです。


まさに、時間と共に、価値を刻む、平等で解放された、価値保存のシステムの誕生です。


ブロックチェーンによる、時間と順序、連続性の記録の実現。


そして、ブロックチェーンに繋ぎ止めるられ、時間の経過と共に順番に発行されるデジタル通貨の出生記録。


これが、世界中の誰もが参加できるエコシステムの誕生であり、ビットコインの始まりです。


こうして、2009年、ビットコインは誕生し、今年で12周年を迎える事になりました。

■最後に

私は考えます。


ビットコインは、ブロックチェーンを理解する最もシンプルな実証実験ではないのか。


ビットコインは、ブロックチェーンがある事で、実現し、ブロックチェーンは、ビットコインのためだけに生まれたのではない。


言い換えると、ビットコインを証明する為には、ブロックチェーンは必要不可欠ですが、ブロックチェーンそのものは、その汎用性や応用性から様々な管理やトレーサビリティ、価値保存のシステムとして、どんな分野にも転用可能です。


今後、世界中でブロックチェーンは様々な日常に溶け込んでいくでしょう。


それは、まさにインターネットが世に出たときの状況に似ているのかもしれません。


しかし、そのブロックチェーンの価値を最もシンプルに、適切に理解する為に生み出されたのがビットコインです。


まさに、ビットコインは、ブロックチェーンの特徴を活かし切った、唯一無二の存在なのです。


このようなビットコインとブロックチェーンの関係があり、私達人類が抱える2つの大きな課題の解決方法は、既にプログラムされています。


その2つの課題は、2021年現在、12年の経過と共に、更に悪化している傾向にあります。


今後もその傾向は強くなっていく可能性が高い中、サトシ・ナカモトによる未来の人類、つまり、子孫の為に全力で作り上げたこの壮大なシステムを、私達も守っていく努力をするべきではないでしょうか?


だから、皆さんも、この壮大な実証実験に参加してみては、如何でしょうか?


多くの人々が、この実証実験に関わる事で、未来の政府や規制にも負けない壮大な経済圏が生まれ、人類の笑顔を守ってくれるかもしれません。


私、暗号資産アナリスト小俣卓也がお伝えいたしました。

ご静聴ありがとうございました。


※ビットコインとブロックチェーンの開発に関しては、様々な説があります。


今日のこの内容は、現在のビットコインやブロックチェーンの状況、サトシ・ナカモトのホワイトペーパーを元に、私なりに皆様にわかりやすく解説したものです。


想像の部分も含まれていますが、そこは皆さんも一緒に、実証実験に参加して確かめにいきましょう。


日本フィナンシャルセキュリティーズ株式会社講演スライド資料

補助資料

暗号資産アナリスト小俣卓也

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